緑内障治療の点眼薬には配合剤があります。
緑内障の点眼薬の配合剤には、プロスタグランジン(PG)製剤とβ受容体遮断薬の配合剤、炭酸脱水酵素阻害薬とβ受容体遮断薬の配合剤、α2受容体作動薬とβ受容体遮断薬の配合剤があります。
含有成分に対して過敏症の既往歴のある人は禁忌になっています。
また、全ての配合剤にβ受容体遮断薬が含まれていて、気管支喘息、又はその既往歴のある患者さん、気管支痙攣、重篤な慢性閉塞性肺疾患のある患者さん、コントロール不十分な心不全、洞性徐脈、房室ブロック(2~3度)、心原性ショックのある患者さんでは症状が悪化する可能性があり禁忌になっています。
プロスタグランジン製剤とβ受容体遮断薬の配合剤
プロスタグランジン製剤を含んでいる点眼液は、虹彩や眼瞼への色素沈着(メラニンの増加)による色調変化や、眼周囲の多毛化が現れることがあります。
眼瞼色調変化、眼周囲の多毛化の予防あるいは軽減のため、点眼時に液が皮膚についた場合は、よく拭き取るか洗顔するようにします。
ザラカム配合点眼液
ザラカム配合点眼液は、プロスタグランジン製剤であるラタノプロスト(商品名:キサラタン)とβ受容体遮断薬であるチモロールマレイン酸塩(商品名:チモプトール0.5%)の配合剤です。
ザラカム配合点眼液は1日1回点眼します。
ザラカム配合点眼剤は冷所(2~8℃)保管になります。
タプコム配合点眼液
タプコム配合点眼液は、プロスタグランジン製剤であるタフルプロスト(商品名:タプロス)とβ受容体遮断薬であるチモロールマレイン酸塩(商品名:チモプトール0.5%)の配合剤です。
タプコム配合点眼液は1日1回点眼します。
中等度以上の羞明、虹彩炎などの眼炎症が高頻度に認められるため、オミデネパグイソプロピル(商品名:エイベリス点眼液)とは併用禁忌になっています。
デュオトラバ配合点眼液
デュオトラバ配合点眼液は、プロスタグランジン製剤であるトラボプロスト(商品名:トラバタンズ)とβ受容体遮断薬であるチモロールマレイン酸塩(商品名:チモプトール0.5%)の配合剤です。
デュオトラバ配合点眼液は1日1回点眼します。
ミケルナ配合点眼液
ミケルナ配合点眼液は、プロスタグランジン製剤であるラタノプロスト(商品名:キサラタン)とβ受容体遮断薬であるカルテオロール塩酸塩(商品名:ミケランLA2%)の配合剤です。
ミケルナ配合点眼液は1日1回点眼します。
滞留性向上と持続性発揮を目的として、ミケランLA点眼液と同様にアルギン酸が添加されています。そのため、他の点眼剤との併用時には、点眼液の吸収性と持続性に影響を及ぼす可能性があるため、ミケルナ配合点眼液を点眼する前には少なくとも10分間の間隔をあけて、ミケルナ配合点眼液を最後に点眼するようにします。
炭酸脱水酵素阻害薬とβ受容体遮断薬の配合剤
アゾルガ配合懸濁性点眼液
アゾルガ配合懸濁性点眼液は、炭酸脱水酵素阻害薬であるブリンゾラミド(商品名:エイゾプト)とβ受容体遮断薬であるチモロールマレイン酸塩(商品名:チモプトール0.5%)の配合剤です。
アゾルガ配合懸濁性点眼液は1日2回点眼します。
アゾルガ配合懸濁性点眼液に配合されている、ブリンゾラミド及びその代謝物は、主に腎より排泄され、排泄遅延により副作用が現れる恐れがあるため、重篤な腎障害のある人は禁忌になっています。
コソプト配合点眼液
コソプト配合点眼液は、炭酸脱水酵素阻害薬であるドルゾラミド塩酸塩(商品名:トルソプト)とβ受容体遮断薬であるチモロールマレイン酸塩(商品名:チモプトール0.5%)の配合剤です。
コソプト配合点眼液は1日2回点眼します。
コソプト配合点眼液に配合されている、ドルゾラミド塩酸塩及びその代謝物は主に腎臓で排泄され、体内に蓄積する恐れがあるため、重篤な腎障害のある人は禁忌になっています。
コソプト配合点眼液には、保存料であるべンザルコニウム塩化物を含んでいない使い切りタイプのコソプトミニ配合点眼液もあります。
α2受容体作動薬とβ受容体遮断薬の配合剤
アイベータ配合点眼液
アイベータ配合点眼液は、α2作動薬であるブリモニジン酒石酸塩(商品名:アイファガン)とβ受容体遮断薬であるチモロールマレイン酸塩(商品名:チモプトール0.5%)の配合剤です。
アイベータ配合点眼液は1日2回点眼します。
低出生体重児、新生児、乳児又は2歳未満の幼児は禁忌になっています。