緑内障の治療薬④ 選択的EP2受容体作動薬

選択的EP2受容体作動薬は、EP2受容体刺激作用により、線維柱帯流出路及びぶどう膜強膜流出路を介した房水流出が促進されることで眼圧を下げる薬です。

選択的EP2受容体作動薬には、エイベリス点眼液(一般名:オミデネパグイソプロピル液)があります。

 

エイベリス点眼液

エイベリス点眼液は1日1回、1回1滴点眼します。

臨床試験では、投与後1週から眼圧下降作用が認められ、ラタノプロスト(商品名:キサラタン)と同じくらいの効果が得られたことが報告されています。

 

エイベリス点眼液の注意点

エイベリス点眼液に防腐剤として含まれているベンザルコニウム塩化物により、コンタクトレンズを変色させることがあるので、点眼前にレンズを外して、点眼して15分以上経過してから再装用するようにします。

エイベリス点眼液は、遮光で2~8℃で保存する必要があります。開封後は添付の遮光袋に入れて、1ヶ月以内であれば室温で保存することが可能です。

点眼した後、一時的に霧視等が現れることがあるので、回復するまで機械操作や運転しないように注意する必要があります

 

エイベリス点眼液の副作用

黄斑浮腫や虹彩炎が現れることがるので、視力低下等の異常がみられたら、すぐに受診する必要があります。

その他の副作用としては、結膜充血、角膜肥厚、眼痛、羞明、眼刺激感、角膜上皮障害などがあります。

副作用の中で最も高率なのは結膜充血で、発現率は10%以上となっています。

 

エイベリス点眼液の禁忌

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者さん。

無水晶体眼又は眼内レンズ挿入眼の患者さん。嚢胞様黄斑浮腫を含む黄斑浮腫、及びそれに伴う視力低下及び視力障害を起こす恐れがあるため、無水晶体眼又は眼内レンズ挿入眼の患者さんは禁忌になっています

タフルプロスト投与中の患者さん。中等度以上の羞明、虹彩炎等の眼炎症が高頻度に認められているため、タフルプロスト(含有商品名:タプロス点眼液、タプコム配合点眼液)とは併用禁忌になっています。

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