今回は前回に引き続き、慢性期の深い褥瘡(D)の治療のうち、G→g(肉芽組織の形成促進)に使用される外用薬についてまとめていきます。
前回はイサロパン外用散、オルセノン軟膏、フィブラストスプレーについてまとめました。今回はアクトシン軟膏、プロスタンディン軟膏、ソルコセリル軟膏、リフラップについてまとめていきます。
アクトシン軟膏
一般名はブクラデシンで、血流改善作用、血管新生促進作用、肉芽形成促進作用、表皮形成促進作用を有します。
薬効の評価については、約6週間を過ぎて効果が見られない場合は他の薬を検討します。
アクトシン軟膏は、凍結を避けて10℃以下で保管するようにします。
また、吸水性があるマクロゴールを基剤にしているので、創の乾燥に注意が必要です。
プロスタンディン軟膏
一般名はアルプロスタジルアルファデクスで、血管新生促進作用、皮膚血流増加作用、肉芽組織形成促進作用、表皮形成促進作用を有します。
薬効の評価については、約8週間を過ぎて効果が見られない場合は他の薬を検討します。
プロスタンディン軟膏は油脂性基剤のため吸水性がなく、塗布部への刺激作用があります。更に、プロスタンディン軟膏は出血を助長させる可能性があり、出血している人や出血しやすい人は禁忌になっているため使用できません。
その他に、本剤成分に対して過敏症の既往歴のある人、妊婦又は妊娠している可能性のある人、重篤な心不全のある人は禁忌になっています。
ソルコセリル軟膏
一般名は幼牛血液抽出物で、線維芽細胞増殖促進作用、肉芽形成促進作用、血管再生促進作用を有します。
皮膚への刺激が少ないので使いやすい薬です。また、ソルコセリル軟膏は乳剤性基剤を使用しているため、滲出液が多いときは使用を控えます。
本剤成分または牛血液を原料とする製剤に対して過敏症の既往歴のある人は禁忌になっています。
リフラップ
一般名はリゾチーム塩酸塩です。表皮細胞の増殖促進作用、線維芽細胞の増殖促進作用を有します。リフラップには、軟膏とシートがあります。
皮膚への刺激性が少ない薬とされています。
本剤成分に対して過敏症の既往歴のある人、卵白アレルギーの人は禁忌です。また、リフラップ軟膏は乳剤性基剤を使用しているため、滲出液が多いときは使用を控えます。
前回に引き続き、今回は肉芽組織の形成促進のために使用される外用薬についてまとめました。