慢性期の浅い褥瘡の治療

慢性期褥瘡の治療においてまず考えるのは、急性期褥瘡と同じように、褥瘡の発生原因を明らかにして除去することです。次に考えるのは、褥瘡が浅い褥瘡か深い褥瘡かです。
浅い褥瘡(d)の場合は、新しい皮膚が再生することで大半は治癒します。これに対して、深い褥瘡(D)場合は壊死組織が除去された創面に肉芽組織が盛り上がっていって治癒に向かいます。
このように褥瘡が浅いか深いかで治癒の過程が異なるので、治療方針もそれぞれ違います。
今回は、浅い慢性期褥瘡の治療についてまとめていきます。

浅い慢性期褥瘡の治療

浅い慢性期褥瘡では、創の保護適度な浸潤環境を保持するようにします。
この褥瘡の病態として主に発赤、水疱、びらん・浅い潰瘍があります。

褥瘡が発赤の場合

ドレッシング材や外用薬で創を保護することが治療の基本になります。
外用薬はアズノール軟膏(一般名:アズレン)や亜鉛華軟膏(一般名:酸化亜鉛)を使用します。

褥瘡が水疱の場合

水疱が破れていないなら、発赤と同じようにドレッシング材などで創を保護するようにします。ここでも、外用薬はアズノール軟膏や亜鉛華軟膏を使用します。
水疱が破れそうな状態なら、水疱を穿刺して中身を排出することがあります。

びらん・浅い潰瘍の場合や、水疱が破れた場合

皮膚の欠損が表皮でとどまることをびらんといい、皮膚の欠損が真皮まで達していることを潰瘍といいます。
びらん・浅い潰瘍の場合や、水疱が破れた場合は、吸水性のあるドレッシング材や外用薬を使用します。
外用薬はアズノール軟膏や亜鉛華軟膏を使用します。上皮形成を目的に、アクトシン軟膏(一般名:ブクラデシン)やプロスタンディン軟膏(一般名:アルプロスタジルアルファデクス)を使用します。

今回は、慢性期の浅い褥瘡の治療についてまとめました。次回は、慢性期の深い褥瘡の治療についてまとめていきます。