今回は『乳癌の原因と予防①』でまとめた以外の原因因子と予防因子についてまとめていきます。
生下時体重
欧米の研究データでは、生下時の体重が重いほど乳癌の発症リスクが高くなるとされていて、生下時体重が4kg以上の女性と3kg以下の女性を比べると、4kg以上の女性の方が乳癌になりやすいことがわかっています。
初経と閉経時期
初経年齢が早いほど、閉経年齢が遅いほど乳癌の発症リスクが高くなるとされています。
出産
出産経験がある女性よりも、出産経験がない女性の方が乳癌の発症リスクが高くなることがわかっています。
また初産年齢が高いほど、更に出産回数が少ないほど、乳癌の発症リスクが高くなることがわかっています。
授乳
様々な研究から授乳経験がない方が乳癌の発症リスクが高くなることがわかっています。また、授乳期間が短いほど発症リスクが高くなることもわかっています。
家族歴
乳癌の発症には遺伝も関与しているとされていて、家族に乳癌の罹患者がいると乳癌の発症リスクは高くなります。その家族が遺伝的に近いほど発症リスクが高くなります。また、家族に罹患者が多いほど発症リスクが高くなります。
女性ホルモン補充療法
閉経後のエストロゲン+黄体ホルモン補充療法を5年以上継続すると乳癌の発症リスクが高くなるとされています。
また、閉経後5年以内に女性ホルモン補充療法を開始する方が、閉経後5年以上経過してから開始するよりも乳癌の発症リスクが高くなるとされています。
エストロゲン単独では乳癌の発症リスクに差がないことがわかっているので、乳癌の発症には黄体ホルモンが関与しているとされています。
大豆製品
豆腐、納豆、味噌汁などの大豆製品に含まれるイソフラボンには抗エストロゲン作用があり、乳癌の発症リスクを抑える可能性があるといわれています。
一方で、イソフラボンにはエストロゲン作用もあることもわかっています。このエストロゲン作用によって乳癌の発症リスクが高くなる可能性もあるとされていますが、食事で摂取する程度のイソフラボンであれば問題ないとされています。
サプリメント
サプリメントには、食事で摂る量よりも多くイソフラボンが含まれていることがあります。多量のイソフラボンによる乳癌の発症リスクや予防効果については、まだはっきりわかっていません。そのため、厚生労働省ではイソフラボンのサプリメント摂取量としては、1日30mg以下にすることを勧めています。