コーヒーが糖尿病予防に効果があるといわれています。本当にそのような効果があるのでしょうか?
今回はコーヒーと血糖値の関係について書いていきます。
コーヒーの作用機序
コーヒーには様々なポリフェノールが含まれています。その中でも、コーヒーに多く含まれるクロロゲン酸が血糖値の上昇を抑えるとされています。
食事などから摂取した炭水化物は、糖質分解酵素であるαグルコシダーゼによってブドウ糖などへ分解されて吸収されます。
クロロゲン酸は、このαグルコシダーゼの働きを抑制して、糖質の吸収を遅らせることで食後の血糖値の上昇を穏やかにします。
更に、クロロゲン酸にはブドウ糖が小腸粘膜から血液中へ吸収されるのを抑制する作用もあることもわかっています。
これらのことから、コーヒーには血糖値の上昇を穏やかにする作用があるため、糖尿病の予防に効果があることがわかります。
注意点
しかし、コーヒー飲用において注意することがあります。
問題となるのが、コーヒーに含まれるカフェインの作用です。カフェインにはインスリンの効きを弱めてしまう、インスリン抵抗性を高くする作用があるといわれています。 糖尿病の人が炭水化物と一緒にコーヒーを飲むと、コーヒーを飲まない場合より血糖値が上昇するともいわれています。
そのため、すでに糖尿病になっている人はコーヒー飲用に注意が必要といえます。
また、コーヒーに砂糖を入れて飲むと血糖値はもちろん上昇します。糖尿病予防のために飲むのであれば、ブラックで飲むのがおすすめです。
更に、『カフェインの作用と中毒』で書いたようにカフェインは胃に負担がかかりやすいため、悪心、嘔吐といった消化器症状を引き起こしたり、血圧上昇や動悸といった循環器症状や不眠などを引き起こすことがあります。そのため、コーヒーの飲み過ぎにも注意が必要です。
このように、糖尿病の予防のためにコーヒーを飲用するにも条件があることがわかりました。