熱性けいれんの治療薬と使用基準

今回は熱性けいれんの治療薬についてまとめていきます。
熱性けいれんの再発を予防するためには、薬が使用されることがあります。熱性けいれんに使用される薬には、ダイアップ坐剤(一般名:ジアゼパム)があります。

ダイアップ坐剤の使い方

ダイアップ坐剤の使い方は、37.5℃を目安として体重1kgあたり1回0.4〜0.5mg(最大量は10mg)を肛門に挿入し、発熱が持続していたら8時間後にもう1つ挿入します。
初回挿入後15分で治療有効濃度に達します。
熱性けいれんは、発熱後24時間以内に発症することが多いです。上記のように使用することで、治療有効濃度が24時間保たれます。

ダイアップ坐剤使用の注意点

使用に際して、鎮静ふらつきなどの副作用があるので、注意が必要です。
また、この副作用の鎮静により、脳炎や脳症の鑑別が難しくなることがあるので、これも併せて注意する必要があります。
上記のように、副作用が懸念されるので、ダイアップ坐剤は継続して使用するべきではなく、使用の基準が決まっています。

ダイアップ坐剤の使用基準

ダイアップ坐剤の使用基準としては、次の①②のどちらかを満たす場合になります。
①15分以上継続する遅発性発作
②次の⑴〜⑹の2つ以上を満たす発作が2回以上繰り返した場合
⑴焦点性発作(部分発作)または24時間以内に反復する
⑵熱性けいれん発症前から神経学的異常や発達遅滞がある
⑶熱性けいれんやてんかんの家族歴がある
⑷生後12ヶ月未満
⑸発熱後1時間未満での発作
⑹38℃未満での発作

以上が、熱性けいれんの治療薬とその使用基準になります。