熱性けいれんの既往がある小児に対して、使用するにあたり注意が必要な薬があります。今回は、熱性けいれんの既往がある小児への使用注意薬についてまとめていきます。
抗ヒスタミン薬
ヒスタミン受容体のうち、H1受容体は脳内の前頭葉、側頭葉、海馬、小脳などに分布しています。
熱性けいれんの既往がある小児に、抗ヒスタミン薬に分類されるH1受容体遮断薬を使用すると、熱性けいれんの発作時間が長くなることがあります。
H1受容体遮断薬のうち、特に脳に移行しやすい第1世代のH1受容体遮断薬の内服薬で注意が必要になります。
注意が必要な薬としては、第1世代のレスタミン(一般名:ジフェンヒドラミン)、ポララミン(一般名:クロルフェニラミン)、ピレチア(一般名:プロメタジン)、アタラックスP(一般名:ヒドロキシジン)、ペリアクチン(一般名:シプロヘプタジン)、第2世代の中のザジテン(一般名:ケトチフェン)などがあります。
テオフィリン製剤
テオフィリン製剤は、抗ヒスタミン薬と同じように、熱性けいれんの発作時間を長くする可能性があります。
特に、熱性けいれんの既往がある場合や、3歳以下の小児にはテオフィリン製剤の使用は推奨されません。
また、第1世代の抗ヒスタミン薬との併用で、熱性けいれんの状態を更に悪化させる可能性もあります。
以上が、熱性けいれんの既往がある小児に注意が必要な薬になります。