ステロイド外用剤の使用量の目安と強さのランク

ステロイドの外用剤には強さのランクがあり、症状によって使い分ける必要があります。

また、使用部位によっても使い分ける必要があり、特に頬などの皮膚の薄い部分では、弱いランクのステロイドを使用する必要があります。

ステロイド外用剤の部位ごとの吸収率

部位ごとに皮膚の厚さが違い、ステロイドの吸収率が異なります。そのため、同じステロイドでも作用の強さが部位ごとに違ってきます。

特に皮膚の薄い部分には、強いランクのステロイドを使用しないようにします。

部位 ステロイド外用剤の吸収比率
足底 0.14
足首 0.42
手掌 0.83
前腕内側
前腕外側 1.1
背中 1.7
頭皮 3.5
腋窩(わきの下) 3.6
頸部
ほほ 13
陰嚢 42

ステロイド外用剤の使用量の目安

ステロイド外用剤の期待通りの薬効を得るためには、適切な量を塗布することが重要です。

ステロイド外用剤の使用量の目安としては、FTU(フィンガーチップユニット)が用いられます。

軟膏では、チューブの穴の直径が5mm程度の場合、1FTUは大人の人差し指の一番先から第1関節に乗る量で約0.5gに相当します。1FTUは大人の手のひら2枚分くらいの面積に塗ることができます。

ローションの場合は、1円玉大が1FTUとなります。

年齢と部位ごとの使用量の目安が以下になります。

顔&首 両腕 両足 胴体(前面) 胴体(背面) 全身
3~6ヶ月 1FTU 2FTU 3FTU 1FTU 1.5FTU 8.5FTU
1~2歳 1.5FTU 3FTU 4FTU 2FTU 3FTU 13.5FTU
3~5歳 1.5FTU 4FTU 6FTU 3FTU 3.5FTU 18FTU
6~10歳 2FTU 5FTU 9FTU 3.5FTU 5FTU 24.5FTU
成人 2.5FTU 8FTU 16FTU 7FTU 7FTU 40.5FTU

ステロイド外用剤の強さのランク

原則として、乳幼児や小児では1ランク弱いステロイド外用剤を使用します。

顔面にはミディアムクラス以下のステロイド外用剤を使用するようにします。

ステロイド強さ 商品名
Ⅰ(Strongest) 最も強力 ジフラール、ダイアコート
デルモベート
Ⅱ(Very Strong) かなり強力 アンテベート
トプシム
ネリゾナ
パンデル
ビスダーム
フルメタ
マイザー
リンデロンDP
Ⅲ(Strong) 強力 エクラー
ザルックス、ボアラ
フルコート
ベクラシン
メサデルム
リンデロンV、ベトネベート
Ⅳ(Mild) 中程度 アルメタ
オイラゾン
キンダベート
リドメックス
レダコート
ロコイド
Ⅴ(Weak) 弱い ドレニゾン
プレドニゾロン
配合剤 リンデロンVG