漢方薬は比較的副作用が少なく、安全に服薬できると言われています。しかし、配合されている成分(生薬)によっては服薬に注意が必要な漢方薬があります。
その代表的なものの1つが、甘草やその配合成分であるグリチルリチンによる偽アルドステロン症です。
甘草以外にも副作用が出る可能性のある成分があります。今回は麻黄についてまとめていきます。
麻黄の作用と副作用
麻黄の配合成分であるエフェドリンはアドレナリン(エピネフリンとも言われます)と化学構造が似ているので、アドレナリンと同じ様な作用を示します。
アドレナリンには交感神経を刺激して活動的、興奮状態にする働きがあります。例としては、心拍数の上昇、血圧上昇、発汗、排尿障害、動悸、不眠などがあり、エフェドリンも同様の作用を示します。麻黄を配合している漢方薬を服薬している間はこのような副作用がないか確認する必要があります。
また麻黄の他の副作用としては、食欲不振、胃部不快感、悪心などの消化器症状がありますのでこれらにも注意が必要です。
注意点
合併症に狭心症や心筋梗塞など循環器疾患がある人、重度の高血圧の人、排尿障害があるひと、甲状腺機能亢進症の人はこれらの症状が悪化することがあるので注意が必要です。
また、他に麻黄やエフェドリン、アドレナリンが配合されている薬、テオフィリンなどのキサンチン系薬、チロキシンなどの甲状腺製剤、モノアミン酸化酵素(MAO)阻害剤といった薬を併用するとエフェドリンの作用が強くなって副作用が起こりやすくなりますので、このような薬と併用する場合にも注意が必要です。