今回は糖尿病薬の1つであるSGLT2阻害薬についてまとめます。
SGLT2阻害薬
作用機序
通常、尿の元である原尿は腎臓で血液を濾して作られますが、ここには糖やアミノ酸などの栄養素が含まれています。これらの栄養素は腎臓から膀胱に行く間に水分と一緒に血液中に再吸収されます。この通り道の中で、特に糖の再吸収を担うのがSGLT2という輸送体です。
このSGLT2の働きを阻害すれば、糖の再吸収が抑えられて血糖値が下がる、ということで開発されたのがSGLT2阻害薬です。
分類される薬
SGLT2阻害薬には、スーグラ(一般名:イプラグリフロジン)、フォシーガ(一般名:ダパグリフロジン)、ルセフィ(一般名:ルセオグリフロジン)、デベルザ、アプルウェイ(一般名:トホグリフロジン)、カナグル(一般名:カナグリフロジン)、ジャディアンス(一般名:エンパグリフロジン)があります。
注意点
この薬の注意点としては、原尿の再吸収が抑えられるので尿量が増えること、尿中に糖が多くでるので尿路感染症にかかる可能性が高くなること等が挙げられます。
特徴
一方で、体内に吸収されるはずの糖が体外に出ていくので体重減少効果や、インスリン分泌に依存しない機序で血糖値を下げるので、低血糖が起こりにくいといったメリットがあります。