薬剤師が考える健康に大切なこと

喘息の治療② 治療ステップ

喘息の未治療患者さんでは、重症度によって4つの治療ステップに分類され、その治療ステップによって治療薬を選択することになります。

治療ステップ1

喘息症状が週1回未満で症状が軽度で短く、夜間症状が月2回未満あり、日常生活の妨げがない場合は治療ステップ1に該当します。

ステップ1の基本治療としては、低用量の吸入ステロイド薬(ICS)を使用します。吸入ステロイドが使えない場合にはロイコトリエン受容体拮抗薬(LTRA)、テオフィリン徐放製剤のいずれかを使用します。

追加治療薬としてはロイコトリエン受容体拮抗薬(LTRA)以外の抗アレルギー薬を使用します。

リリーバーとしては、短時間作用型β2刺激薬(SABA)を使用します。

治療ステップ2

喘息症状が毎日ではないが週1回以上で、夜間症状が月2回以上、日常生活の妨げが月1回以上ある場合は、治療ステップ2に該当します。

治療ステップ2の基本治療としては低用量から中用量の吸入ステロイド薬(ICS)を使用します。

吸入ステロイドでは効果が不十分な場合は、長時間作用型β2刺激薬(LABA)、長時間作用型抗コリン薬(LAMA)、ロイコトリエン受容体拮抗薬(LTRA)、テオフィリン徐放製剤のうち1剤を併用します。

追加治療薬としてはロイコトリエン受容体拮抗薬(LTRA)以外の抗アレルギー薬を使用します。

リリーバーとしては、短時間作用型β2刺激薬(SABA)を使用します。

治療ステップ3

喘息症状が毎日で、夜間症状が週1回以上、日常生活の妨げが週1回以上ある場合は、治療ステップ3に該当します。

治療ステップ3の基本治療としては中用量から高用量の吸入ステロイド薬(ICS)を使用し、長時間作用型β2刺激薬(LABA)、長時間作用型抗コリン薬(LAMA)、ロイコトリエン受容体拮抗薬(LTRA)、テオフィリン徐放製剤のうち1剤もしくは複数を併用します。

追加治療薬としてはロイコトリエン受容体拮抗薬(LTRA)以外の抗アレルギー薬を使用します。

リリーバーとしては、短時間作用型β2刺激薬(SABA)を使用します。

治療ステップ4

喘息症状が毎日で、治療をしていてもしばしば増悪があり、夜間症状もしばしばみられ、日常生活の妨げが持続的である場合は、治療ステップ4に該当します。

治療ステップ4の基本治療としては高用量の吸入ステロイド薬(ICS)を使用し、長時間作用型β2刺激薬(LABA)、長時間作用型抗コリン薬(LAMA)、ロイコトリエン受容体拮抗薬(LTRA)、テオフィリン徐放製剤、抗IgE抗体、抗IL-5抗体、抗IL-5Rα抗体、経口ステロイド薬、気管支熱形成術のうち複数を併用します。

追加治療薬としてはロイコトリエン受容体拮抗薬(LTRA)以外の抗アレルギー薬を使用します。

リリーバーとしては、短時間作用型β2刺激薬(SABA)を使用します。