喘息の治療は、吸入ステロイド薬(ICS)が基本ですが、吸入ステロイド薬だけでは効果が不十分なときに長時間作用型抗コリン薬(LAMA:Long Acting Muscarinic Antagonist)を使用することがあります。
抗コリン薬は、抗コリン作用によってアセチルコリンの働きを阻害し、気管支を拡張させます。
既に起きている発作を速やかに軽減する薬剤ではないので、毎日規則正しく使用するようにして、急性の発作に対しては使用しないようにします。
閉塞隅角緑内障、前立腺肥大による排尿障害等がある患者さんは、症状を悪化させることがあるため禁忌になっており、使うことができません。
また、アトロピン及びその類似物質や含有成分に対して過敏症の既往歴のある人は禁忌になっています。
長時間作用型抗コリン薬(LAMA)で気管支喘息に適応があるのはスピリーバレスピマットのみで、スピリーバ吸入用カプセルには気管支喘息の適応はありません。
スピリーバレスピマット
一般名は、チオトロピウム臭化物水和物です。
スピリーバレスピマットには、2.5μgレスピマットと1.25μgレスピマットがあり、2.5μgレスピマットは慢性閉塞性肺疾患(慢性気管支炎、肺気腫)、気管支喘息に適応がありますが、1.25μgレスピマットは気管支喘息のみに適応があります。
用法・用量
気管支喘息の気道閉塞性障害に基づく諸症状の緩解に対し、スピリーバ1.25μgレスピマット1回2吸入を1日1回吸入します。
重症の場合は、スピリーバ2.5μgレスピマット1回2吸入を1日1回吸入します。
1回2吸入で投与する薬であり、1回1吸入では1日の投与量を担保できません。そのため、2.5μgを投与する場合には、スピリーバ1.25μgレスピマットを使用して2吸入し、5μgを投与する場合は、スピリーバ2.5μgレスピマットを使用して2吸入します。