腎機能を調べる検査②

腎機能を調べる検査として、尿蛋白・尿潜血、血清クレアチニン、BUN(尿素窒素)、尿酸、eGFR(推算糸球体ろ過量)、クレアチニンクリアランスなどがあります。

『腎機能を調べる検査①』では尿蛋白・尿潜血、血清クレアチニン、BUN(尿素窒素)についてまとめました。今回は尿酸、eGFR(推算糸球体ろ過量)、クレアチニンクリアランスについて書いていきます。

尿酸

尿酸はプリン体の最終代謝物です。

健康な人の場合、尿素窒素は腎臓の糸球体でろ過されて、その大部分が尿細管で再吸収されます。そのため、体内での尿酸の産生が亢進したり、腎臓からの排泄が低下すると尿酸値が上昇します。

血清クレアチニンや尿素窒素と併せて測定して評価します。

腎臓に異常がある場合以外に、痛風、高脂血症などでも高くなります。

逆に、糸球体腎炎や肝硬変などでは値が低くなります。

尿酸の基準値は、男性では3.0~7.7mg/dL、女性では2.0~5.5mg/dLです。

eGFR(推算糸球体ろ過量)

GFR(糸球体ろ過量)は、腎臓にある糸球体に老廃物をろ過する機能がどの位あるかを表したものです。しかし、糸球体ろ過量を正確に知るためには精密な検査が必要になります。

より簡単に腎機能を求めるために、eGFR(推算糸球体ろ過量)が用いられます。eGFRは血清クレアチニンの値、年齢、性別から計算で求めることができます。

eGFRによる腎機能評価

90以上:正常

60~89:正常から軽度低下

45~60:軽度から中等度低下

30~45:中等度~高度低下

15~30:高度低下

15以下:末期腎不全

クレアチニンクリアランス

クレアチニンは腎臓の糸球体でろ過され、尿細管から分泌される量はわずかなため、クレアチニンのクリアランス(排泄量)は糸球体ろ過量(GFR)に近い値を示します。そのため、クレアチニンクリアランスを求めることで腎機能の評価をすることができます。

しかし、腎機能低下時は尿細管から分泌される少量のクレアチニンの影響を受けて、実際のGERより高く出てしまう傾向があります。

クレアチニンクリアランスは24時間の尿量、尿中クレアチニン値、血清クレアチニン値から計算で求めますが、簡易的に推算式を用いて血清クレアチニンの値、年齢、性別、体重から計算で求めることができます。

クレアチニンクリアランスによる腎機能評価

70~130mL/min:正常

50~70mL/min:軽度腎障害

30~50mL/min:中等度腎障害

10~30mL/min:高度腎障害

10mL/min以下:末期腎不全

クレアチニンクリアランスの計算