自宅で経口補水液を作る方法

脱水の対策として経口補水液の使用があります。経口補水液には汗などで失われた水分や電解質を補給して、脱水の予防をする役割があります。

しかし、いざという時に経口補水液をすぐに飲めないと命に関わることもあります。また、高齢者や乳幼児などでは知らない間に脱水になっていることもあります。

市販の経口補水液であるOS-1や、アクアソリタなどがすぐ飲める状況にない場合や、日常生活でコストをかけずに気軽に飲みたい時など、身近なものから簡易的な経口補水液が作れると便利なことが多くあると思います。

今回は、経口補水液を手軽に作る方法をまとめていきます。

経口補水液とは?

そもそも、経口補水液とは何でしょうか?

経口補水液(Oral Rehydration Solution:ORS)とは、食塩ブドウ糖を混合して水に溶かしたもので、主に下痢、嘔吐、発熱などによる脱水症状の治療に用いられます。

重症の下痢が起きているときは、大腸で水分吸収などが出来ず、電解質の流出も起こっています。

一方、小腸ではナトリウムイオンとブドウ糖が吸収されるとき、同時に水も吸収されるメカニズムが解明され、糖と食塩を水分と同時に摂れば、通常使われる大腸でなく小腸から水分と栄養分を補給できることがわかりました。このメカニズムからの水分補給を目的に作られたのが経口補水液です。

経口補水液は、一度に沢山飲むのではなく、脱水予防のために少しずつこまめに飲むことが大切です。

経口補水液の理想的な組成

体液の浸透圧は285mOsm/Lで、これに近い浸透圧であれば胃腸にあまり負担をかけずに水分補給ができるとされています。

しかし、浸透圧が低い経口補水液の方が、水分の吸収がよく、下痢の回復が早いことが示されており、世界保健機構(WHO)では低浸透圧の経口補水液が推奨されています。

糖の濃度が高いと、胃に留まる時間が長くなります。水分は胃では吸収されないので、小腸での水分の吸収が遅れます。

自宅で簡単に経口補水液を作る方法

基本的には、水と砂糖と塩で作ることができます。

分量は水1Lに塩3g(小さじ1/2)、砂糖40g(大さじ4と1/2)を溶かすだけです。

長期の保存には向かないので、作った当日に飲み切るようにします。

また、この作り方で作った経口補水液は電解質としてナトリウムしか含まれていません。発汗では水分とナトリウムが失われます。従って、発汗で失われた水分と塩分の補給にはこの経口補水液は適しているといえますが、嘔吐や下痢をした時はカリウムも失われるので、このような場合は市販の経口補水液で対応しなければいけません。

ジュースから経口補水液を作る方法

水と塩と砂糖では、子供は飽きてしまうかもしれませんし、なかなか飲めないかもしれません。そこで、市販のジュースから経口補水液を作れば少しは飲めるかもしれません。

作り方は、100%オレンジジュース400mL(100%リンゴジュースなら700mL、100%グレープフルーツジュースなら450mL)に塩3g(小さじ1/2)を加えて水を足して1Lにして完成です。