月経前症候群(PMS)

月経前症候群とは月経開始の1〜2週間前から様々な不快症状を示す疾患です。月経前症候群はPremenstrual Syndromeのことで、PMSと略されます。

PMSの症状

月経前症候群の症状には、身体的なものと精神的なものがあります。身体的な症状には乳房の張り、むくみ、頭痛、吐き気、食欲増進、便秘、下痢、ニキビ、不眠、眠気などがあります。精神的な症状にはイライラ、興奮、不安、憂うつ、集中力の低下などがあります。

PMSの原因

月経前症候群の原因ははっきりわかっていませんが、ホルモンバランスの変化が関係しているのではないかといわれています。排卵後〜生理前に黄体ホルモンであるプロゲステロンが多く分泌されますが、この間は多く分泌されたプロゲステロンの影響で精神、身体的に不安定になるといわれています。また、排卵後に卵胞ホルモンであるエストロゲンの分泌が減ることによっても精神的に不安定になるといわれています。
月経前症候群の原因には、環境の変化やストレスなどがあります。その他に生活習慣では喫煙、お酒やコーヒーの多飲、お菓子などの間食があります。
また性格としては、神経質な人や几帳面な人、真面目な人がなりやすいともいわれています。

PMSの予防法

予防としては、リラックスできる方法を見つけてストレスが溜まらないようにすること、十分に睡眠をとって疲れを溜めないようにすること、お酒やタバコを控えること、コーヒーなどカフェインを摂りすぎないこと、糖分・塩分を控えて月経前症候群に有効な栄養素を摂ることなどかあります。

PMSに有効な栄養素

月経前症候群に有効な栄養素としては、ビタミンB6、大豆イソフラボン、ビタミンEなどがあります。ビタミンB6を多くの含む食べ物にはマグロやカツオ、レバー、ニンニクなどがあります。大豆イソフラボンは豆腐や納豆などの大豆製品に多くの含まれています。ビタミンEはアーモンドなどのナッツ類に多く含まれています。

PMSの薬物治療

月経前症候群の薬物治療にはホルモン剤、漢方薬、各症状に対する治療薬の投薬が行われます。

ホルモン剤

ホルモン剤では低用量ピルが使用されます。低用量ピルを服薬することで、排卵を抑制して女性ホルモンの波を少なくして症状を改善させます。低用量ピルにはルナベルヤーズ、ジェミーナがあります。ピルの注意点の1つとして血栓症が起こる可能性があることが挙げられます。血栓症の症状としては、下肢の急激な疼痛・腫脹、突然の息切れ、胸痛、頭痛、四肢の脱力・麻痺などがあります。このような症状が現れたら、すぐに服薬を中止して病院を受診する必要があります。

漢方薬

漢方薬は当帰芍薬散、加味逍遥散、桂枝茯苓丸などが使われます。漢方薬は体質や症状などで使い分けます。

各症状に対する治療薬

各症状に対する治療薬としては、頭痛や腰痛などの痛みに対しては痛み止めが、イライラや憂うつや不安などには抗不安薬や抗うつ薬が使用されます。