月経前症候群では乳房の張り、むくみ、頭痛、吐き気、食欲増進、便秘、下痢、ニキビ、不眠、眠気、イライラ、興奮、不安、憂うつ、集中力の低下など様々な症状が現れます。
月経前症候群の治療にはホルモン製剤や漢方薬の投薬が行われます。今回は月経前症候群に使用される漢方薬についてまとめます。
月経前症候群に使用される漢方薬としては、当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)、加味逍遙散(かみしょうようさん)、桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)、桃核承気湯(とうかくじょうきとう)、温経湯(うんけいとう)、抑肝散(よくかんさん)、半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)などがあり、体質や症状をみて使い分けます。
当帰芍薬散
当帰芍薬散は当帰(とうき)、川芎(せんきゅう)、芍薬(しゃくやく)、蒼朮(そうじゅつ)、沢瀉(たくしゃ)、茯苓(ぶくりょう)を配合した漢方薬です。
筋肉が軟弱で疲れやすく、腰脚が冷えやすい人に使用されます。倦怠感、頭重、頭痛、めまい、動悸、浮腫、冷え症などの症状に使われます。
加味逍遥散
加味逍遥散は、柴胡(さいこ)、芍薬(しゃくやく)、蒼朮(そうじゅつ)、当帰(とうき)、茯苓(ぶくりょう)、山梔子(さんしし)、牡丹皮(ぼたんぴ)、甘草(かんぞう)、生姜(しょうきょう)、薄荷(はっか)を配合した漢方薬です。
体質虚弱で肩がこり、疲れやすく、不安などの精神神経症状、便秘がちな人に使用されます。
桂枝茯苓丸
桂枝茯苓丸は、桂皮(けいひ)、芍薬(しゃくやく)、茯苓(ぶくりょう)、桃仁(とうにん)、牡丹皮(ぼたんぴ)を配合した漢方薬です。
体格はしっかりしていて赤ら顔が多く、腹部は大体充実、下腹部に抵抗のある人に使用されます。頭痛、めまい、のぼせ、肩こり、冷え症などの症状に使われます。
桃核承気湯
桃核承気湯は、桃仁(とうにん)、桂皮(けいひ)、甘草(かんぞう)、大黄(だいおう)、芒硝(ぼうしょう)を配合した漢方薬です。
比較的体力があり、のぼせて便秘しがちな人に使用されます。精神不安、腰痛、便秘などの症状に使われます。
温経湯
温経湯は、麦門冬(ばくもんどう)、半夏(はんげ)、当帰(とうき)、甘草(かんぞう)、桂皮(けいひ)、芍薬(しゃくやく)、川芎(せんきゅう)、人参(にんじん)、牡丹皮(ぼたんぴ)、呉茱萸(ごしゅゆ)、生姜(しょうきょう)、阿膠(あきょう)を配合した漢方薬です。
手足がほてり、唇が乾く人に使用されます。不眠、神経症、湿疹、足腰の冷えなどの症状に使われます。
抑肝散
抑肝散は、当帰(とうき)、釣藤鈎(ちょうとうこう)、川芎(せんきゅう)、蒼朮(そうじゅつ)、茯苓(ぶくりょう)、柴胡(さいこ)、甘草(かんぞう)を配合した漢方薬です。
虚弱な体質で神経が高ぶる人に使用されます。イライラ、怒りっぽい、不眠などの症状に使われます。
半夏厚朴湯
半夏厚朴湯は、半夏(はんげ)、茯苓(ぶくりょう)、厚朴(こうぼく)、蘇葉(そよう)、生姜(しょうきょう)を配合した漢方薬です。
気分がふさいで、食道部に異物感があり、動悸、めまい、嘔気などの症状がある人に使用されます。