緑内障の病態と治療法

緑内障とは

眼球にはある一定の圧力がかかるようになっています。この圧力を眼圧といいます。眼圧が高い状態が続くと、目の神経が障害されて視野が狭くなりやがて失明してしまいます。これが緑内障です。
眼圧を保つ役割を果たしているのが房水という水分です。房水は眼の中の毛様体という場所で作られて、線維柱帯流出路を通ってシュレム管に流出される経路と、ぶどう膜強膜から流出される経路のどちらかをたどり眼の外に排出されます。
この房水の産生と排出のバランスが崩れると眼圧が上昇します。通常、眼圧は10〜21mmHgの範囲で保たれています。

緑内障の種類

緑内障にはいくつか種類があり、大きく分けて解放隅角緑内障原発閉塞隅角緑内障の2つに分けられます。
更に解放隅角緑内障は、原発解放隅角緑内障正常眼圧緑内障に分けられます。
また原発閉塞隅角緑内障は、急性型の原発閉塞隅角緑内障慢性型の原発閉塞隅角緑内障に分けられます。

原発解放隅角緑内障

原発解放隅角緑内障は、房水の通り道である隅角は開いているものの、房水の流出路の線維柱帯が少しずつ目詰まりを起こして眼圧が上昇した緑内障です。

正常眼圧緑内障

正常眼圧緑内障は、眼圧が正常にも関わらず視神経が障害されて緑内障になった状態です。緑内障の人の半数以上がこの正常眼圧緑内障です。

原発閉塞隅角緑内障

原発閉塞隅角緑内障は隅角が狭くなり、房水の流出路である線維柱帯が塞がって眼圧が上昇した緑内障です。

急性型は急激に病状が進行し、慢性型はゆっくり病状が進行する緑内障です。
急性型では急激に眼圧が上昇するので、眼の痛みや頭痛、吐き気が出ることがあります。

緑内障という病気は、ほとんどの場合自覚症状がありません。そのため定期的に眼科で検査をする必要があります。

緑内障の検査

緑内障の検査にはいくつか種類があり、眼圧検査、眼底検査、視野検査があります。
眼圧検査は緑内障の原因である眼圧を測定する方法です。眼圧の正常値は10〜21mmHgと言われています。
眼底検査は、視神経が障害されていないかどうか確認するために視神経乳頭部を観察する検査です。
視野検査は緑内障により視野の欠損やその範囲の拡大がないかどうか確認する検査です。

緑内障の治療

緑内障の治療には薬物療法、レーザー治療、手術があります。薬物療法としては、房水の産生を抑制したり房水の流れを良くする点眼薬が使われます。異なる効き方の点眼薬を数種類併用することもあります。点眼薬で効果が得られない場合は更に飲み薬を追加することもあります。
レーザー治療は線維柱帯にレーザーを当てて、房水の流出を促進します。比較的安全な治療法です。
手術では房水の流れを妨げている場所を切って房水の流出を促進したり、毛様体で房水が産生するのを抑制したりします。