認知症は、現在の医療では根治することができません。そこで重要なのは、認知症をいかにして予防するか、ということです。
今回は、アルツハイマー型認知症の原因にはどのようなことがあるのかまとめていきます。
アルツハイマー型認知症の原因には、遺伝的危険因子、血管性危険因子、生活習慣があります。
それぞれの中で、どのようなことがアルツハイマー型認知症の発症に関与しているのかみていきます。
遺伝的危険因子
ApoE4という遺伝子を持っている人は、アルツハイマー型認知症になりやすいといわれています。
この遺伝子を持つ人は、一般的に良いとされる認知症の予防方法が効きにくく、平均より若い年齡でアルツハイマー型認知症を発症することがわかっています。
血管性危険因子
血管性の原因として、高血圧、糖尿病、高コレステロール血症があります。
高血圧
高血圧に関しては、中年期(40〜65歳)における高血圧は、高齢期(65歳以上)での認知症の原因になっています。
そのため、この中年期の血圧管理を適切に行うことが大切です。
尚、高齢期での高血圧と認知症の関係は明らかになっていません。そのため、認知症に対しては、中年期ほど血圧管理を厳密にする必要はないとされています。
糖尿病
糖尿病に関しては、高血圧と同様で、中年期における高血糖が、高齢期での認知症の原因のひとつになっています。
糖尿病は、アルツハイマー型認知症、血管性認知症の原因になっていますが、糖尿病の高血糖状態そのものが認知症の原因になっているのか、それとも高血糖により引き起こされた血管病変が原因になっているのかは、まだはっきりわかっていません。
高コレステロール血症
高コレステロール血症に関しても、中年期における高コレステロール血症が、高齢期でのアルツハイマー型認知症の原因のひとつになっています。
その他
その他に、頭部外傷の既往があると認知症のリスクが高まります。
生活習慣
低学歴、喫煙が認知症の原因になることが知られています。
以上のように、認知症の原因はいくつかあり、可能な限りその原因を排除することが重要とされています。