病気別にみる認知症の中核症状の違い

認知症の中核症状には病気毎に違いがあります。今回はその違いについてまとめていきます。

アルツハイマー病(AD)

記憶障害、健忘性失語、着衣失行、構成失行、喚語障害がみられます。

レビー小体型認知症(DLB)

幻視などの視覚性認知障害、構成失行がみられます。

前頭側頭型認知症(FTD)

遂行機能障害、超皮質性感覚性失語、常同言語(意味がない言葉を繰り返し言い続けること)、反響言語(相手が話した言葉を繰り返して話すこと)がみられます。

進行性非流暢性失語

前頭側頭葉変性症(FTLD)の症状の1つである進行性非流暢性失語では運動性失語(発話量の減少、非流暢な会話、構音障害)がみられます。

意味性認知症

類義失語、喚語困難、言葉の理解の障害がみられます。言葉の理解が障害されると、日常会話の中で言葉の意味が分からなくなります。言葉の意味を聞き返すことが多くなるので、家族が症状に気づくことがあります。例として、「新聞を取ってください」に対して「新聞って何ですか?」というような会話です。
意味性認知症になると類音語錯読という症状もみられます。類音語錯読の例としては、「海老」を「かいろう」と読むといった感じです。

大脳皮質基底核変性症(CBD)

肢筋運動失行、観念運動性失語、運動性失語がみられます。

このように、認知症を引き起こす病気によって中核症状に違いがあります。