褥瘡評価の指標 DESIGN-R①

褥瘡の状態を把握し、適切な治療方法を選択するために、DESIGN-Rという指標が用いられます。
DESIGN-Rは、Depth(深さ)、Exudate(滲出液)、Size(大きさ)、Inflammation/Infection(炎症/感染)、Granulation(肉芽組織)、Necrotic tissue(壊死組織)をRating(評点)する、の頭文字からDESIGN-Rと表記されていて、更にPocket(ポケット)の項目を加えた7項目をみて褥瘡の評価をします。

それぞれの項目に点数がつけられていて、Dの深さ以外の項目の点数を合計して重症度を評価します。
合計点数が、9点以下ならば1ヶ月、18点以下ならば3ヶ月、19点以上ならば3ヶ月以上が治癒までの期間の目安になります。
また、各項目の評価をするときは大文字か小文字かにも着目します。大文字になる場合、その項目は重症であると評価します。

今回はDepth(深さ)、Exudate(滲出液)の項目についてみていきます。

D(深さ)

褥瘡の深さを評価します。創の一番深いところをみて評価します。
深さが真皮にとどまる浅い場合は小文字のd、皮下組織よりも深い場合は大文字のDで表します。
褥瘡が真皮でとどまっているかどうかは、毛穴の有無でわかります。毛穴があれば真皮です。

評価

Dはの評価は以下のように分類されます。
d1:持続する発赤
d2:真皮までの損傷
D3:皮下組織までの損傷
D4:皮下組織を超える損傷
D5:関節腔、体腔に至る損傷

E(滲出液)

滲出液の量を、ガーゼを含めたドレッシング材の交換回数で評価します。
滲出液が多量の場合、創の周りが浸軟して皮膚障害が起こりやすくなるので、適切な処置をして創の周りが滲出液で濡れないようにします。
滲出液が多くなる原因として、感染、浮腫、壊死組織の残存が考えられます。特に感染の場合は、感染特有の臭いがしたり、膿性の滲出液がみられます。これらの原因が除去できれば、滲出液は減っていきます。
創面に肉芽組織が形成されるときは、適度な浸潤状態を保つことが大切なので、乾燥させすぎないようにドレッシング材を選びます。
また、滲出液には壊死組織の自己融解を促す作用があるので、壊死組織が残存している場合は、適度な浸潤状態を保つ必要があります。

評価

滲出液の評価は以下のように分類されます。
e0:滲出液なし
e1:少量(毎日は交換せず)
e3:中等量(1日1回)
E6:多量(1日2回以上)

今回は褥瘡の重症度を評価する指標であるDESIGN-Rについてと、その項目の中のD(深さ)とE(滲出液)についてまとめました。