褥瘡評価の指標 DESIGN-R②

今回は、褥瘡の重症度を評価するための指標であるDESIGN-Rの項目のうち、Sで表されるSize(大きさ)、Iで表されるInflammation/Infection(炎症/感染)についてまとめていきます。

S(大きさ)

創の大きさを評価します。
サイズを小さくするためには、感染の制御、滲出液のコントロール、ポケットの解消、壊死組織の除去をして、肉芽の形成を促すようにします。

サイズの評価

大きさの測定は、長径(cm)と短径(長径と直行する最大径(cm))をかけて測定します。
大きさの評価は、以下のように分類されます。
s3:4未満
s6:4〜16未満
s8:16〜36未満
s9:36〜64未満
s12:64〜100未満
S15:100以上

I(炎症/感染)

炎症と感染を評価します。
創が急性期でなく、発赤、熱感、疼痛、腫脹などの炎症がある場合は小文字のiで表します。
この炎症状態に追加で、滲出液の増加、膿や臭い、発熱がみられたら感染していると判断します。臭いは原因菌によって異なり、緑膿菌では酸っぱい臭い、嫌気性菌では腐敗臭がします。

コロナイゼーション

感染を示していなくても創の治癒が遅い場合は、発赤の拡大、滲出液や黄色壊死組織の増加がみられる場合は、感染の前段階であるクリティカルコロナイゼーションの可能性を検討します。この場合は、感染創と同じケアを行います。
創面での細菌感染の流れは、①創面に付着して増殖はしていない状態、②増殖している状態、③細菌数が多くなり創の治癒に影響を及ぼし始める状態、④創の内部へ侵入して組織の破壊がみられる状態へ移行していきます。
クリティカルコロナイゼーションとは、この細菌感染の流れの中の③に該当します。

炎症/感染の評価

炎症/感染の評価は以下のように分類されます。
i0:局所の炎症徴候なし
i1:局所の炎症徴候あり
I3:局所の明らかな感染徴候あり
I9:全身的な影響があり

以上、今回はDESIGN-Rの項目であるS(大きさ)、I(炎症/感染)についてまとめました。