喘息の治療薬④ ステロイド・β2刺激薬配合剤

喘息の治療で、吸入薬の併用が必要な場合はステロイド・β2刺激薬配合剤を用いることがあります。

配合剤であれば、1度の吸入で複数の薬を吸入することができます

喘息に使われるステロイド・β2刺激薬配合剤としては、アドエア、シムビコート、フルティフォーム、レルベア、アテキュラ吸入用カプセルがあります。

シムビコート以外の吸入薬は、既に起きている発作を速やかに軽減する薬剤ではないので、毎日規則正しく使用するようにして、急性の発作に対しては使用しないようにします。

ステロイドが持つ抗炎症作用で、気管支や肺の炎症を抑え、β2刺激薬の気管支に対するβ2刺激作用によって気管支を拡張させて呼吸器症状を改善させます。

ステロイドの作用により症状を増悪する恐れがあるため、有効な抗菌剤の存在しない感染症、深在性真菌症の人は禁忌になっています。尚、シムビコートに関してはステロイドの作用により症状を増悪する恐れがあるため、結核性疾患がある人でも原則禁忌になっています。

男性で夜間多尿による夜間頻尿に対してデスモプレシン酢酸塩水和物(商品名:ミニリンメルトOD25μg又は50μg)を服用している人では、低ナトリウム血症が発現する恐れがあるため併用禁忌です。一緒に服用することはできません。

また、含有成分に対して過敏症の既往歴のある人は禁忌になっています。

β刺激作用によって、不整脈、心停止等の重篤な副作用が発現する危険性があるため、用法・用量を超えて使用しないよう注意する必要があります。

他に、β刺激作用による副作用としては、動悸、頻脈、振戦、頭痛及び筋痙攣等があります。

 

アドエア

フルチカゾンプロピオン酸エステル(商品名:フルタイド)とサルメテロールキシナホ酸塩(商品名:セレベント)の配合剤です。

過度の使用により不整脈、心停止等の重篤な副作用が発現する危険性があるため、1日2回を超えて使用しないようにします。また、セレベントの気管支拡張作用は通常12時間持続するので、その間は次の吸入をしないようにします。

アドエアのデバイスには、ディスカスとエアゾールがあります。

用法・用量

成人

アドエア100ディスカス1回1吸入、アドエア50エアゾール1回2吸入(サルメテロールとして50μg及びフルチカゾンプロピオン酸エステルとして100μg)を1日2回吸入します。

症状に応じて次のいずれかの用法・用量で吸入します。

・アドエア250ディスカス1回1吸入、アドエア125エアゾール1回2吸入(サルメテロールとして50μg及びフルチカゾンプロピオン酸エステルとして250μg)を1日2回吸入します。

・アドエア500ディスカス1回1吸入、アドエア250エアゾール1回2吸入(サルメテロールとして50μg及びフルチカゾンプロピオン酸エステルとして500μg)を1日2回吸入します。

 

小児

症状に応じて次のいずれかの用法・用量で吸入します。

・アドエア50エアゾール1回1吸入(サルメテロールとして25μg及びフルチカゾンプロピオン酸エステルとして50μg)を1日2回吸入します。

・アドエア100ディスカス1回1吸入、アドエア50エアゾール1回2吸入(サルメテロールとして50μg及びフルチカゾンプロピオン酸エステルとして100μg)を1日2回吸入します。

 

シムビコート

ブデソニド(商品名:パルミコート)とホルモテロールフマル酸塩水和物(商品名:オーキシス)の配合剤です。

デバイスはタービュヘイラーです。

用法・用量

維持療法として1回1吸入(ブデソニドとして160μg、ホルモテロールフマル酸塩水和物として4.5μg)を1日2回吸入します。症状に応じて増減しますが、維持療法としての1日の最高量は1回4吸入を1日2回までとします。

維持療法として1回1吸入、あるいは2吸入を1日2回吸入している場合は、発作発現時に追加で頓用吸入をすることができます。

頓用吸入する場合は、発作発現時に1吸入し、数分経過しても発作が持続する場合には、更に追加で1吸入します。必要に応じて繰り返しますが、1回の発作発現につき、最大6吸入までとします。

維持療法と頓用吸入を合計した本剤の1日の最高量は8吸入までですが、一時的に1日合計12吸入まで増量することが可能です。

 

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