喘息の治療薬① 吸入ステロイド薬(ICS)

喘息では気道の炎症があるため、抗炎症作用の強い吸入ステロイド薬(ICS:inhaled corticosteroid)が治療の基本になっています。

この吸入ステロイド薬(ICS)は、既に起きている発作を速やかに軽減する薬剤ではないので、毎日規則正しく使用するようにして、急性の発作に対しては使用しないようにします。

また、口腔カンジダ症や嗄声などの局所的な副作用を予防するために、吸入ステロイド薬(ICS)の吸入後はうがいをするようにします。うがいが困難な人では、口腔内をすすぐようにします。

有効な抗菌剤の存在しない感染症、深在性真菌症のある人では、症状を増悪させる恐れがあるため禁忌になっています。

また、男性で夜間多尿による夜間頻尿に対してデスモプレシン酢酸塩水和物(商品名:ミニリンメルトOD25μg又は50μg)を服用している人では、低ナトリウム血症が発現する恐れがあるため併用禁忌です。一緒に服用することはできません。

含有成分に対して過敏症の既往歴のある人は禁忌になっています。

アズマネックス

一般名はモメタゾンフランカルボン酸エステルです。デバイスはツイストヘラーです。

用法・用量

モメタゾンフランカルボン酸エステルとして1回100μgを1日2回吸入します。年齢、症状により適宜増減しますが、1日の最大投与量は800μgを限度とします。

アニュイティ

一般名はフルチカゾンフランカルボン酸エステルです。デバイスはエリプタです。

用法・用量

フルチカゾンフランカルボン酸エステルとして100μgを1日1回吸入します。

症状に応じてフルチカゾンフランカルボン酸エステルとして200μgを1日1回吸入します。

オルベスコ

一般名はシクレソニドです。デバイスはインヘラーです。

用法・用量

成人:シクレソニドとして100~400μgを1日1回吸入します。症状により適宜増減しますが、1日の最大投与量は800μgとします。1日に800μgを投与する場合は、朝、夜の1日2回に分けて吸入します。

小児:シクレソニドとして100~200μgを1日1回吸入します。良好に症状がコントロールされている場合は50μgを1日1回まで減量することができます。

尚、1日1回の吸入は夜に行うことが望ましいとされています。

キュバール

一般名はベクロメタゾンプロピオン酸エステルです。デバイスはエアゾールです。

用法・用量

成人:ベクロメタゾンプロピオン酸エステルとして100μgを1日2回口腔内に噴霧吸入します。年齢、症状により適宜増減しますが、1日の最大投与量は成人では800μgとなっています。

小児:1回50μgを1日2回口腔内に噴霧吸入します。年齢、症状により適宜増減しますが、1日の最大投与量は小児では200μgとなっています。

パルミコート

一般名はブデソニドです。デバイスはタービュヘイラーです。

用法・用量

成人:ブデソニドとして1回100~400μgを1日2回吸入します。症状に応じて増減しますが、1日の最高量は1600μgまでとします。

小児:ブデソニドとして1回100~200μgを1日2回吸入します。症状に応じて増減しますが、1日の最高量は800μgまでときます。

尚、良好に症状がコントロールされている場合は100μgを1日1回まで減量できる。

フルタイド

一般名はフルチカゾンプロピオン酸エステルです。デバイスには、エアゾール、ディスカス、ロタディスクがあります。

用法・用量

成人:フルチカゾンプロピオン酸エステルとして1回100μgを1日2回吸入します。症状により適宜増減しますが、1日の最大投与量は800μgを限度とします。

小児:フルチカゾンプロピオン酸エステルとして1回50μgを1日2回吸入します。症状により適宜増減しますが、1日の最大投与量は200μgを限度とします。