女性の更年期障害の治療薬 ホルモン製剤

更年期障害は閉経を境に女性ホルモンのバランスが崩れて、ほてりやのぼせ、頭痛、動悸、耳鳴り、精神不安定、憂うつ、意欲低下、食欲不振、肩こり、悪心、皮膚のかゆみ、疲れやすいなど様々な症状を引き起こします。
この更年期障害の治療にはホルモン補充療法、漢方療法などがあります。

ホルモン補充療法

ホルモン補充療法とは、分泌が減った女性ホルモンを外から補充して様々な症状を改善する治療法です。ホルモン補充療法に使われる薬には、卵胞ホルモン製剤、卵胞ホルモンと黄体ホルモンの配合剤があります。

卵胞ホルモン製剤

卵胞ホルモン製剤には、内服薬ではプレマリン、ジュリナがあります。外用剤もあり、貼付剤(貼り薬)にはエストラーナテープ、塗布剤(塗り薬)にはル・エストロジェル、ディビゲルがあります。外用剤は皮膚から薬剤が吸収されるように開発されました。

エストラーナテープは2日に1度貼り替える薬で、下腹部か臀部に貼る薬です。2日間貼り続けるのでかぶれに気をつけないといけません。
ル・エストロジェルは1日1回両腕の手首から肩までの広い範囲に塗ります。ディビゲルは1日1回左右どちらかの大腿部か下腹部に、約20×20cmの範囲に塗ります。

卵胞ホルモン製剤は、乳癌や子宮内膜癌などのエストロゲン依存性腫瘍の人や、乳癌の既往がある人、血栓性静脈炎や肺塞栓症の人やその既往がある人、冠動脈性心疾患や脳卒中といった動脈性の血栓塞栓疾患の人やその既往がある人、妊婦または妊娠している可能性のある人、重篤な肝障害を持っている人、診断が確定していない異常性器出血がある人、未治療の子宮内膜増殖症がある人、本剤成分に過敏症の既往歴がある人は禁忌のため服薬することができません。

また、ル・エストロジェルとディビゲルに関しては、ポルフィリン症で急性発作の既往歴がある人も禁忌になっています。

卵胞ホルモンと黄体ホルモンの配合剤

卵胞ホルモンと黄体ホルモンの配合剤には、メノエイドコンビパッチがあります。
メノエイドコンビパッチは3〜4日に1枚(週2回)貼り替える貼付剤(貼り薬)です。下腹部に貼付します。

乳癌や子宮内膜癌などのエストロゲン依存性腫瘍の人や、乳癌の既往がある人、血栓性静脈炎や肺塞栓症の人やその既往がある人、冠動脈性心疾患や脳卒中といった動脈性の血栓塞栓疾患の人やその既往がある人、妊婦または妊娠している可能性のある人、重篤な肝障害を持っている人、診断が確定していない異常性器出血がある人、未治療の子宮内膜増殖症がある人、本剤成分に過敏症の既往歴がある人、ポルフィリン症の人は禁忌のため服薬することができません。

ホルモン補充療法の注意点

重大な副作用の1つに血栓症があります。血栓症の初期症状として、胸痛、呼吸困難、息切れ、下肢の痛み、浮腫、めまいなどがあるので、服薬中はこれらの症状がないか注意する必要があります。