更年期障害というと女性に特有の疾患と思われがちですが、男性にも更年期障害は存在しています。
男性ホルモンは体内で様々な役割を果たしています。男性体内で男性ホルモンであるテストステロンが減ると様々な症状を示すことがあり、これを男性の更年期障害(加齢男性性腺機能低下症候群:LOH症候群)といいます。
女性の更年期障害は、閉経の時期に女性ホルモンが減少するので発症時期が大体わかるのですが、男性の更年期障害は血液中のテストステロンが年齢と共に徐々に減少して発症します。そのため、発症時期に個人差があるので更年期障害以外の病気と間違えてしまう可能性があります。
症状
男性の更年期障害の症状には、イライラ、憂うつ、不眠、不安、記憶力の低下、集中力の低下、性欲の低下、頭痛、筋力の低下、疲れやすい、めまい、発汗、ほてり、耳鳴り、性力の低下など沢山あります。
また男性ホルモンと生活習慣病の関係も明らかになっていて、男性ホルモンが低下すると血圧が高くなったり内臓脂肪が増えたりします。
原因
男性の更年期障害の原因には加齢だけでなく、ストレス、睡眠不足などがあります。テストステロンは睡眠中に体内で作られるので、睡眠時間が減ると、自ずとテストステロンの量が減ってしまうのです。
治療と予防
治療には男性ホルモンを体の外から補充する男性ホルモン補充療法が行われます。
日常生活での予防
日常生活で男性の更年期を予防して、男性ホルモンを維持する方法には、睡眠をしっかりとること、ストレスを溜めないようにする、溜まったストレスを趣味などで発散すること、適度に運動して筋肉に刺激を与えること、好意を持っている女性と話すことなどがあります。
食事での予防
食事にも気にかけることで体内のテストステロンを増やすことができます。テストステロンを増やす栄養素にはタンパク質、亜鉛、一価不飽和脂肪酸、飽和脂肪酸、ビタミンD、ジインドリルメタン(DIM)、Dアスパラギン酸、含硫化合物などがあります。
タンパク質
タンパク質は肉、魚、乳製品、卵、大豆製品に多く含まれています。
亜鉛
亜鉛は牡蠣、牛肉、鶏肉、豚肉、チーズ、魚介類に多く含まれています。
一価不飽和脂肪酸
一価不飽和脂肪酸はオリーブオイル、アボカド、アーモンド、ピーナッツバターに多く、飽和脂肪酸は赤身肉、ココナッツオイル、チーズ、ダークチョコレート、卵黄に多く含まれます。
ビタミンD
ビタミンDは卵黄、舞茸、しらす干しなどに多く含まれます。
ジインドリルメタン
ジインドリルメタンはブロッコリーやカリフラワーの消化過程で産生します。
Dアスパラギン酸
Dアスパラギン酸はアミノ酸の1種です。
含硫化合物
含硫化合物は玉ねぎ、ニンニク、ニラ、らっきょうなどに多く含まれます。
一方でアルコール、スナック菓子、ジャンクフードなどの摂りすぎは男性ホルモンの働きに悪影響を及ぼすので摂りすぎに注意です。