糖尿病では白血球(好中球)の遊走能、接着能、貪食能、殺菌作用が低下していて、感染症にかかりやすく、更に重症化しやすくなっています。
感染症時の血糖コントロール
感染症にかかると、炎症によるインスリン抵抗性の上昇、ストレスによるインスリン拮抗ホルモンであるコルチゾールやカテコールアミンの増加、発熱や下痢に伴う脱水状態による体外へのブドウ糖排泄障害などにより血糖値が高くなることがあるので、血糖コントロールが難しくなります。
この場合は、厳密に血糖コントロールをしようとすると低血糖になる可能性が高くなります。そのため、血糖値の目標値をやや高めにして低血糖を引き起こさないようにします。
シックデイと、その時の血糖コントロール
糖尿病の人が感染症などをきっかけに発熱、下痢、嘔吐、食欲不振を引き起こして食事が取れなくなった状態をシックデイといいます。
このシックデイでも高血糖などになり、血糖コントロールが難しくなります。シックデイの時には、脱水予防のために十分に水分を摂取し、お粥や麺など食べやすい形にして摂取し可能な限り糖分などのエネルギーを補給します。
シックデイ時の服薬について
シックデイ時の服薬については、自己判断で服薬をやめたりせず、あらかじめ主治医に連絡をして指示を受けておく必要があります。しかし、 発熱・消化器症状が強い時、24時間にわたり経口摂取がほとんどできない時、意識状態の悪化がみられる時、血糖値350mg/dL以上が持続している時はすぐに受診するようにします。
次にシックデイ時の服薬についての対応を、薬の種類ごとにまとめていきます。
インスリン分泌促進薬(SU剤、速効型インスリン分泌促進薬)の場合、中止や減量といった投与量の調整が必要なので、主治医に相談するようにします。
αグルコシダーゼ阻害薬の場合、消化器症状が強い時は中止します。
ビグアナイド薬の場合は、中止するようにします。
チアゾリジン薬の場合は、薬の作用時間が長く中止しても血糖値に大きな影響を与えないので、中止しても問題ありません。
DPP4阻害薬の場合は、主治医の判断になります。食事が摂れない状態で服用しても、血糖降下作用は弱いと考えられます。
SGLT2阻害薬の場合は、シックデイに伴う脱水を強めるように作用するので、中止するようにします。
インスリン注射の場合、中間型や持続型は継続します。追加インスリンは食事量や血糖値に応じて調整します。こまめに血糖値を測定するようにします。
以上、服薬に関しては一般的なケースとしてまとめました。
シックデイ時の服薬に関しては、血糖値や感染症の状態、食事摂取量など個人差があるので、主治医から指示を受ける必要があります。