マダニによる感染症、SFTSについて

先日、マダニによる感染症で高齢の女性が亡くなったというニュースがありました。ダニに噛まれて死亡することがあるということに驚きました。
このマダニによる感染症は、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)といわれるダニ媒介性の感染症です。
今回はこのSFTSについてまとめていきます。

重症熱性血小板減少症候群(SFTS)とは?

SFTSは2011年に発表されたブニヤウイルス科フレボウイルス属に分類される新しいウイルス(SFTSウイルス)による感染症です。

潜伏期間、症状、致死率

SFTSウイルスに感染すると6日〜14日の潜伏期間を経て発熱、食欲低下、吐き気、嘔吐、下痢、腹痛、頭痛、筋肉痛、意識障害、リンパ節腫脹、皮下出血、下血などの症状がみられます。
血液検査所見では、白血球減少、血小板減少、GOT上昇、GPT上昇、LDH上昇がみられます。その他に、骨髄での血球貪食がみられることがあります。
SFTSは、中国、韓国、アメリカ、日本(特に西日本)などでみられ、致死率は6.3〜30%といわれています。

感染経路

感染経路は、フタトゲチマダニ、ヒゲナガマダニ、オオトゲチマダニ、キチマダニ、タカサゴキララマダニなどのマダニを介する感染経路、血液などの体液の接触による感染経路があります。
マダニは、食品などに発生するコナダニ、寝具などに発生するヒョウヒダニなど室内に生息するダニとは種類が違い、主に草地など屋外に生息しています。しかし、ペットに付いている可能性もあるので注意が必要です。

治療法と予防法

今のところ、SFTSに対するワクチンや治療薬はなく、感染した場合は対症療法しかありません。そのため予防が大切で、ダニに噛まれないようにするのが一番有効な予防法です。
予防法としては、草むらや藪などに入る場合は、長袖・長ズボンを着用し、シャツの裾はズボンの中に、ズボンの裾は靴下や長靴の中に入れるようにします。また、足を完全に覆う靴、帽子、手袋を着用し、首にタオルを巻く等、肌の露出を少なくすることが大事です。
服は、マダニを目視で確認しやすくするために、明るい色のものを着用するようにします。
DEET(ディート)という成分を含む虫除け剤の中には服の上から用いるタイプがあり、補助的な効果があるとされています。
屋外活動後は入浴し、マダニに刺されていないか確認するようにします。特に、わきの下、足の付け根、手首、膝の裏、胸の下、頭部を注意して見るようにします。
マダニは春〜秋にかけて活動が活発になるので、この時期はより注意が必要です。

全てのマダニがSFTSウイルスを保有しているわけではないので、マダニに噛まれたからといってSFTSに100%感染するわけではありません。しかし致死率が高いので、いざという時のために、噛まれないように予防する必要があります。