シックデイ時のビグアナイド服薬について

糖尿病のシックデイ時は、脱水、発熱、食欲不振などが原因で血糖コントロールが難しくなります。
シックデイの時は、糖尿病薬の服薬を中止するか継続するか、薬の種類や病状によって対応が異なるので、主治医に相談する必要があります。しかしながらビグアナイド薬の場合、シックデイの時は一般的に服薬を中止することが多いです。

今回は、シックデイの時にビグアナイド薬を中止する理由についてまとめていきます。
ビグアナイド薬には、メトグルコ、グリコラン(一般名:共にメトホルミン)、ジベトス(一般名:ブホルミン)があります。

ビグアナイド薬の特徴

ビグアナイド薬に共通する副作用の1つに乳酸アシドーシスがあります。乳酸アシドーシスは、血中に乳酸が増加して血液が酸性に傾いて、代謝性アシドーシスを起こし昏睡に陥る疾患です。

乳酸アシドーシスとは?

乳酸アシドーシスの症状としては、意識障害、悪心、嘔吐、腹痛、倦怠感、筋肉痛などがあり、重症化すると過呼吸を起こしてショック状態に陥ります。
乳酸アシドーシスの原因は、シックデイの他に腎機能障害、高齢者、肝機能障害、手術前後、心血管障害、肺機能障害、過度のアルコール摂取、脱水があります。

このように、シックデイの時は乳酸アシドーシスを引き起こす可能性があるため、ビグアナイド薬の場合は服薬を中止するのが一般的です。