糖尿病の予防とその進行を抑えるためには、食事に気をつけることが非常に大切です。
今回は糖尿病の食事療法についてまとめていきます。
糖尿病の食事療法で気をつけることには、1日のエネルギー摂取量、栄養のバランス、食事回数、食べる順番、ゆっくり食べる、などがあります。順にまとめていきます。
1日のエネルギー摂取量
男性では1600~2000kcal、女性では1400~1800kcalが標準的ですが、体重や身体活動の程度によって異なります。
エネルギー摂取量(kcal)は標準体重(kg)×身体活動量で求めることができます。標準体重(kg)は、身長(m)×身長(m)×22で求めることができます。
身体活動量
体重1kgあたりの身体活動量の目安のことを身体活動量といいます。デスクワークのような軽労作では25~30kcal、立ち仕事のような普通の労作では30~35kcal、力仕事のような重い労作では35kcal以上になります。
例えば、主にデスクワークをしている身長が1m60cmの人の必要なエネルギー摂取量を計算してみます。まず、この人の標準体重は1.6×1.6×22=56.32kgになります。この標準体重に身体活動量の25~30をかけた1408~1690kcalがエネルギー摂取量になります。
栄養のバランス
エネルギー摂取量だけでなく、各栄養素をバランスよく摂ることも大切です。エネルギー摂取量の50~60%を炭水化物、タンパク質は20%まで、脂質は25%までになるようにします。もしこれより多く脂質を摂る場合は、飽和脂肪酸を減らすようにします。この栄養バランスは伝統的な日本食と同じです。
食事回数
1日に3回に分けて摂るようにします。回数が少ないと、1回の食事量が多くなったり、血糖値の変動が大きくなったりして膵臓に負担がかかります。食事が不規則になりそうな場合は、1日のエネルギー摂取量を超えないように間食を摂るようにします。
食べる順番
野菜やキノコや海藻など、食物繊維を多く含む食べ物を先に食べるようにします。そうすることで食物繊維が胃の中で膨らんで、食事量が抑えられたり、食事中の急激な血糖上昇が抑えられます。
ゆっくり食べる
満腹感を得るまでには、食事をしてから時間がかかります。そのため、早食いすると食べ過ぎる可能性があります。ゆっくりよく噛んで食べることが食べ過ぎを防ぐコツです。