抗結核薬と併用薬の相互作用

抗結核薬の中には、一緒に服薬するとその薬の作用が強くなったり弱くなったりする薬があります。
今回は抗結核薬と相互作用を起こす薬についてまとめていきます。

 

リファジン

薬物代謝酵素であるCYP3Aを誘導してその働きを強めます。そのため、リファジンとCYP3Aで代謝される薬を併用すると、これらの薬の代謝が促進されて作用が弱くなります。

CYP3Aで代謝される薬

CYP3Aで代謝される薬は多く、肺動脈性肺高血圧症治療薬のアドシルカ(一般名:タダラフィル)、オプスミット(一般名:マシテンタン)、抗血小板薬のブリリンタ(一般名:チカグレロル)、抗真菌薬のブイフェンド(一般名:ボリコナゾール)、抗ウイルス薬のクリキシバン(一般名:インジナビル)、ビラセプト(一般名:ネルフィナビル)、レクシヴァ(一般名:ホスアンプレナビル)、レイアタッツ(一般名:アタザナビル)、エジュラント(一般名:リルピビリン)、スタリビルド(一般名:エルビテグラビル、コビシスタット、エムトリシタビン、テノホビル配合剤)、プレジコビックス(一般名:ダルナビル、コビシスタット配合剤)、ソブリアード(一般名:シメプレビル)、ダクルインザ(一般名:ダクラタスビル)、スンベプラ(一般名:アスナプレビル)、バニヘップ(一般名:バニプレビル)、ソバルディ(一般名:ソホスブビル)、ハーボニー(一般名:レジパスビル、ソホスブビル配合剤)、ヴィキラックス(一般名:オムビタスビル、パリタプレビル、リトナビル配合剤)、エレルサ(一般名:エルバスビル)、グラジナ(一般名:グラゾプレビル)、駆虫薬のビルトリシド(一般名:プラジカンテル)は併用禁忌のため併用することはできません。

 

その他に、抗不安・催眠鎮静薬のベンゾジアゼピン系薬、抗てんかん薬のアレビアチン(一般名:フェニトイン)、テグレトール(一般名:カルバマゼピン)、ラミクタール(一般名:ラモトリギン)、抗パーキンソン病薬のノウリアスト(一般名:イストラデフィリン)、気管支拡張薬のテオドール(一般名:テオフィリン)、他に抗精神病薬、抗不整脈薬、血圧降下薬、糖尿病用薬、血液凝固阻止薬などの中にもCYP3Aで代謝される薬があるので注意が必要です。

 

イスコチン

血液凝固阻止薬のワーファリン(一般名:ワルファリン)、抗てんかん薬のアレビアチン(一般名:フェニトイン)、テグレトール(一般名:カルバマゼピン)などの薬と併用すると、これらの薬の肝臓での代謝を阻害して作用が強く現れることがあります。

薬だけでなく、ヒスチジンチラミンを多く含有する食品との併用にも注意が必要です。
ヒスチジンを多く含有する食品としてはマグロなどがあり、頭痛、紅潮、そう痒、嘔吐などのヒスタミン中毒が現れることがあります。
チラミンを多く含有する食品としてはチーズなどがあり、血圧上昇や動悸が現れることがあります。
他にも併用に気をつける薬の組み合わせがあるので、服薬するときは注意が必要です。