降圧薬の種類の1つであるCa(カルシウム)拮抗薬など、薬物代謝酵素のCYP3A4で代謝される薬とグレープフルーツ(果実及びジュース)を一緒に摂ると、グレープフルーツが小腸上皮細胞にあるCYP3A4の働きを阻害し、薬の代謝が阻害されて薬の作用が強く現れます。
このような相互作用があるため、CYP3A4で代謝される薬を服薬している間は、グレープフルーツを摂らないようにする必要があります。
CYP3A4を阻害する成分
この薬の代謝阻害は、グレープフルーツに含まれるフラノクマリン類という成分によって引き起こされます。実は、グレープフルーツ以外にもフラノクマリン類を含む柑橘類があるので注意が必要です。
フラノクマリン類を含む柑橘類
グレープフルーツの他に、はっさく、スウィーティー、文旦、ザボン、夏みかん、ダイダイ、サワーオレンジ、ビターオレンジ、絹皮、晩白柚、三宝柑、パール柑、メキシカンライム、メロゴールド、レッドポメロ、サワーポメロにはフラノクマリン類が含まれています。そのため、これらの柑橘類はグレープフルーツと同様に注意が必要です。
尚、グレープフルーツの中でも、ホワイトタイプの方がルビータイプよりもフラノクマリン類の含有量が多いことが知られています。
フラノクマリン類を含まない、もしくは少量含む柑橘類
レモン、バレンシアオレンジ、かぼす、温州みかん、マンダリンオレンジ、ネーブルオレンジ、スウィートオレンジ、日向夏、ゆず、ポンカン、伊予柑、すだち、金柑、デコポンの果実についてはそこまで心配しなくていいと思います。
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