薬による副作用には様々なものがありますが、その1つに横紋筋融解症があります。今回は横紋筋融解症の症状や検査所見、副作用以外の原因、治療法についてみていきます。
症状と検査所見
横紋筋融解症は、脂質異常症に使用される薬や、ある種の抗生物質などによって引き起こされる副作用です。
横紋筋融解症は、骨格筋が融解して筋成分が血中に流出する病態です。自覚症状としては、全身の筋肉痛、赤褐色尿、手足のしびれ、脱力、全身倦怠感などがあります。
ひどい場合は、流出する筋成分のミオグロビンが尿細管に負荷をかけて急性腎不全になって浮腫や無尿がみられたり、呼吸筋が障害されて呼吸不全になることもあります。
横紋筋融解症の検査所見としては、CK(クレアチンキナーゼ)上昇、LDH上昇、AST(GST)上昇、ALT(GPT)上昇があります。
副作用以外の原因
薬の副作用以外に、脱水、熱中症、ウイルス感染、筋疾患によって横紋筋融解症になることがあります。
横紋筋融解症を引き起こす原因ウイルスとしては、EBウイルス、エコーウイルス、アデノウイルス、麻疹ウイルス、HIVがあり、横紋筋融解症の原因になる筋疾患には、糖原病、甲状腺機能低下症などがあります。
治療法
薬の副作用で横紋筋融解症になった場合は、速やかに原因薬物を中止する必要があります。
腎機能がまだ障害されていないようであれば、輸液を行なって尿量を維持し腎保護を図り、ミオグロビンによる腎障害の予防に努めます。
急性腎不全が進行した場合は血液透析を行なうこともあります。
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