結核の治療薬にはそれぞれ代表的な副作用があります。今回は、主な抗結核薬の代表的な副作用についてまとめていきます。
リファジン(一般名:リファンピシン)
胃腸障害、肝障害などがあります。
胃腸障害には食欲不振や悪心などがあり、このような症状が現れたら朝食後に服用するようにします。
肝障害については、3ヶ月以内にGOT(AST)、GPT(ALT)の上昇がみられることがあり、薬の中止後1〜2ヶ月で正常値に戻ります。
イスコチン(一般名:イソニアジド)
肝障害、末梢神経障害などがあります。
肝障害
肝障害はリファジンとの併用で発現頻度が約10%に上昇します。GOT(AST)またはGPT(ALT)が150を越えたらリファジンまたはイスコチンを一旦中止し、正常値に戻ったら再開します。その後、再度肝障害が現れたらリファジンまたはイスコチンの服薬を以後中止するようにします。
末梢神経障害
末梢神経障害に対しては、ビタミンB6のピドキサール(一般名:ピリドキサール)が有効です。糖尿病の患者さん、妊婦さん、低栄養状態の患者さんなどでは予防的にピドキサールを併用します。
アミノグリコシド系薬
結核の治療に使われるアミノグリコシド系薬にはストレプトマイシン(一般名同じ)、カナマイシン(一般名同じ)、ツベラクチン(一般名:エンビオマイシン)があります。これらの薬の副作用には、第八脳神経障害などがあります。
第八脳神経障害
第八脳神経障害では耳鳴り、めまい、難聴が起こります。高齢者や腎機能障害がある患者さんで特に起こりやすいので注意が必要です。
腎機能障害がある患者さんでは、薬の排出遅延が起こる可能性があるので、アミノグリコシド系薬の使用は避けるようにします。
エブトール(一般名:エタンブトール)
視神経障害があります。
視神経障害には視力低下、視野狭窄、色覚異常などがあります。定期的に視力検査を行うようにします。
ピラマイド(一般名:ピラジナミド)
胃腸障害、肝障害、高尿酸血症、関節痛などがあります。