横紋筋融解症③

『横紋筋融解症②』では、副作用として横紋筋融解症を引き起こす薬のうち、HMG-CoA還元酵素阻害薬とフィブラート系高脂血症薬について書きました。

今回は、それ以外の薬について書いていきます。

ニューキノロン系抗菌薬

服用開始後、数日以内に急速に発症するので注意が必要です。ニューキノロン系以外に、マクロライド系抗生物質でも横紋筋融解症の報告がされています。また、ウイルス感染でも起こる可能性があります。

抗精神病薬、抗パーキンソン病薬

抗精神病薬の開始や増量後、あるいは抗パーキンソン病薬の減量や休薬後に、まれに副作用として現れる悪性症候群に付随して横紋筋融解症が発症することがあります。

麻酔薬

全身麻酔中に悪性高熱という副作用が起こることがあり、この時に横紋筋融解症が発症します。

電解質異常を引き起こす薬

電解質異常を引き起こす薬によっても横紋筋融解症が発症する可能性があります。特に、低カリウム血症になると横紋筋融解症が引き起こされます。

低カリウム血症を引き起こす薬

利尿剤、緩下剤、グリチルリチン製剤(甘草を含んでいる漢方薬)などがあります。

その他

上にまとめた以外の薬として、抗てんかん薬のゾニサミド(商品名:エクセグラン、トレリーフ)、バルプロ酸ナトリウム(商品名:デパケン)、解熱消炎鎮痛剤のジクロフェナク(商品名:ボルタレン)、向精神薬のロヒプノール(商品名:サイレース、ロヒプノール)、抗うつ薬のクロミプラミン(商品名:アナフラニール)、マプロチリン(商品名:ルジオミール)、降圧薬のカンデサルタン(商品名:ブロプレス)、ロサルタン(商品名:ニューロタン)、総合感冒薬のPL顆粒、消化性潰瘍用剤のニザチジン(商品名:アシノン)、ファモチジン(商品名:ガスター)、ラフチジン(商品名:プロテカジン)、ラベプラゾール(商品名:パリエット)、オメプラゾール(商品名:オメプラール)、マクロライド系抗生物質のクラリスロマイシン(商品名:クラリス)、セフェム系抗生物質のセフカペンピボキシル(商品名:フロモックス)、ペネム系抗生物質のファロペネム(商品名:ファロム)などがあります。

これらの薬の中には、横紋筋融解症の発症時に併用薬として服用していた薬もあるので、単独で横紋筋融解症になるか明らかではないものも含まれています