褥瘡に対して使用されるドレッシング材①

褥瘡に対しては、外用薬以外にドレッシング材が使用されることがあります。
ドレッシング材とは、褥瘡の治癒を早めるために浸潤環境を適切にする被覆材のことで、ドレッシング材の種類によっては、外用薬と同じように処方箋で調剤することができます。
今回は、深い褥瘡(D)に対して使用されるドレッシング材についてまとめていきます。
DESIGN-RのN→n(壊死組織の除去)、G→g(肉芽組織の形成促進)、S→s(創の縮小)、I→i(感染・炎症の制御)、E→e(滲出液の制御)、P→なし(ポケットの解消)のどの段階で使用されるかもまとめていきます。

アルギン酸塩

滲出液に含まれるナトリウムイオンと接触するとゲル化します。自重の約20倍の吸水力があり、吸収速度が早いことが特徴です。DESIGN-RのP→なし、E→e、G→g、S→sで使用されます。
商品としては、カルトスタット、ソーブサン、アルジサイト銀、クラビオFG、アルゴダームトリオニックがあります。

キチン

吸着性、吸水性があり創面の清浄化作用があります。また、肉芽形成促進、鎮痛、止血効果を有します。DESIGN-RのE→e、G→g、S→sで使用されます。
商品としては、ベスキチンがあります。

ハイドロコロイド

創に閉塞性の浸潤環境を維持させて、血管新生促進作用を妨げないようにします。吸水力は弱いので、滲出液が多いときは使用を控えます。DESIGN-RのG→g、S→sで使用されます。
商品としては、アブソキュア、コムフィール、デュオアクティブ、レプリケア、テガダームハイドロコロイドがあります。

今回は、褥瘡で使用されるドレッシング材のうち、アルギン酸塩、キチン、ハイドロコロイドについてまとめました。
次回は、その他のドレッシング材についてまとめていきます。