認知症の治療では行動・心理症状といった周辺症状(BPSD)を低減するために薬物療法が行われ、生活の質(QOL)を高めるためにリハビリテーションや認知症ケアなどが行われます。
今回はそれぞれの治療の概要をまとめていきます。
リハビリテーション
楽しい時間を過ごすことで、脳の活性化を介して意欲や学習能力の向上、残存している機能を高めて二次的に認知機能を向上させたりすることが期待できます。
リハビリテーションで効果的に脳を活性化するためには、心地よい刺激(快刺激)であること、他者とのコミュニケーションがあること、役割と生きがいを賦与すること、正しい方法を繰り返しサポートすること等があります。
認知症ケア
その人の尊厳を高めるように行います。その結果、BPSDが軽減されたり、認知症の回復がある程度見込めるようになります。認知症ケアの原則としては、患者本人の尊厳を守ること(その人らしく生きられるように支援すること)、安心させること(叱責や否定しないこと)、自立支援(残存している機能をみて適切な役割を賦与して能力発揮を支援すること)、安全・安心・健やかなQOLを維持すること、なじみの暮らしの環境を継続することがあります。
次に認知症の症状別に行われる治療法についてまとめていきます。
認知機能障害に対する治療法
軽度から中等度の認知症では、薬物治療の有無に関わらず脳を活性化させるリハビリテーションやケアを行います。
アルツハイマー病による認知機能障害に対する薬物療法として、コリンエステラーゼ阻害薬という分類の薬が使われます。
BPSDに対する治療法
BPSDには幻覚、妄想、不安、興奮、攻撃性などがありますが、本人の生活や介護する人にとって問題になる攻撃性、興奮、徘徊、性的脱抑制、無気力などが治療の対象になります。
高度でないBPSDの場合は、非薬物療法を試みてから薬物療法を検討します。非薬物療法には、芳香療法、認知刺激療法、音楽療法、ペットセラピー、マッサージなどから可能なものを行います。この場合の薬物療法に関しては、副作用のリスクがあるため抗精神病薬の使用は控えるようにします。
高度のBPSDの場合は、抗精神病薬の少量からの使用を検討します。