慢性期の深い褥瘡の治療 滲出液、ポケット

今回は、慢性期の深い褥瘡(D)の治療のうちE→e(滲出液の制御)、P→なし(ポケットの解消)に使用される外用薬についてまとめていきます。

 

E→e(滲出液の制御)で使用される外用薬

滲出液の制御に使用される外用薬には、カデックス(一般名:カデキソマー・ヨウ素)、ユーパスタ軟膏(一般名:ポピドンヨードシュガー)があります。

カデックス

外用散と軟膏があります。外用散の方が軟膏の約2倍吸水性に優れているため、滲出液が多い場合は外用散を用いるようにします。

ユーパスタ軟膏

白糖を含有していて、この白糖が滲出液を吸収します。滲出液が減少し肉芽組織が増えてきたら、他の外用薬に変更します。

 

ポケットの解消に使用される外用薬

ポケットの解消に使用される外用薬には、ユーパスタ軟膏、フィブラストスプレー(一般名:トラフェルミン)、オルセノン軟膏(一般名:トレチノイントコフェリル)があります。
壊死組織がある場合は、これらの外用薬を使う前に創面の清浄化を行う必要があります。

ユーパスタ軟膏

滲出液が多い場合に使用します。白糖を含有しており、この白糖が線維芽細胞のコラーゲン合成を促進して肉芽形成を促進します。ポケットの中に詰める場合は、組織を圧迫しないように注意します。

フィブラストスプレー

血管新生促進作用と肉芽形成促進作用を有します。死腔を埋めて浸潤を保持するために、他の外用薬と併用するとより効果的です。
スプレー噴霧後、細胞の受容体に薬が結合するまでの約30秒間は、ポピドンヨードなどの消毒薬との接触を避けるようにします。

オルセノン軟膏

水分を含む基剤が使われており、滲出液が多い創には不向きで、乾いている創に向いています。

以上のように、今回は慢性期の深い褥瘡の治療のうち、E→e(滲出液の制御)、P→なし(ポケットの解消)に使用される外用薬についてまとめました。