片頭痛③ 片頭痛の慢性化

片頭痛の発作が増えて、頭痛のある日が増えた病態を慢性片頭痛といいます。慢性片頭痛は発作性の片頭痛よりも障害度が高く、生活の質(QOL)の低下やうつなどの精神疾患を併発しやすくなります。

また、慢性片頭痛でみられる軽度の片頭痛は、緊張型頭痛のような頭痛として発現することが知られています。

今回は、慢性片頭痛の定義と、その危険因子についてまとめていきます。

慢性片頭痛の定義

・頭痛が月に15日以上の頻度で3ヶ月続く。

・前兆がない片頭痛発作が5回以上ある場合の頭痛。

・他の原因疾患がなく、薬物乱用もない。

・少なくとも3ヶ月にわたって、次の①または②、あるいはその両方を満たす頭痛が月に8日以上ある。

①:A、Bのうち1つ以上あり、かつa~dのうち2つ以上あるもの

A.悪心または嘔吐。

B.光過敏および音過敏。

a.片側性。

b.拍動性。

c.痛みの程度は中程度または重度。

d.日常的な動作により頭痛が増悪する。または、頭痛のために日常的な動作を避けなくてはならない。

②:上記1の頭痛発作に進展することが推測される場合に、トリプタまたはエルゴタミンによる治療で頭痛が軽減する。

慢性片頭痛の危険因子

先天的要因

・家族歴:母親に慢性連日性頭痛がある

・出生前暴露:胎児期での母親の喫煙と飲酒

頭痛の症状

・頭痛のある日が多い

共存症

・肥満:正常体重の人と比べて、BMIが25~29では3倍、30以上では5倍リスクが高くなります。

・いびき、睡眠時無呼吸

・ストレスや精神疾患:ライフイベント(引っ越しなど)が引き金になったり、気分障害やうつとの関連が指摘されています。

・顎関節症

外的要因

・薬物:オピオイドとバルビツール酸の使用。月に10日以上頭痛がある場合のトリプタン、NSAIDsの使用。

・カフェイン摂取

・頭部外傷

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