褥瘡に対しては、外用薬以外にドレッシング材が使用されることがあります。
今回は、今までまとめたもの以外のドレッシング材についてまとめていきます。
また、深い褥瘡(D)での創の状態を評価する指標であるDESIGN-RのN→n(壊死組織の除去)、G→g(肉芽組織の形成促進)、S→s(創の縮小)、I→i(感染・炎症の制御)、E→e(滲出液の制御)、P→なし(ポケットの解消)のどの段階で使用されるかも併せてまとめていきます。
ハイドロファイバー
滲出液を吸収、保持して創の浸潤環境を適切にします。ハイドロファイバーは線維状のドレッシング材で、滲出液を吸収しても崩壊しないため、交換時に創に残りにくいことが特徴です。
吸水力は自重の約30倍あります。線維の縦方向に吸水して、横方向には広がらないようになっていて、創周囲の健常組織が湿って柔らかくならないように使用しやすいドレッシング材です。
銀含有製材は銀イオンが放出されて、滲出液や創に存在する緑膿菌、メキシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)、バンコマイシン耐性腸球菌(VRE)などに対して抗菌作用を示します。
DESIGN-RのP→なし、E→e、G→g、S→sで使用され、銀含有製材はI→iで使用されます。
商品としては、アクアセル、バーシバがあります。
ポリウレタンフォーム
過剰な滲出液を吸収、保持して創の浸潤環境を適切にします。吸水力は自重の約10倍あります。ポリウレタンフォームは非固着性のため、創や創周囲の皮膚を損傷させません。また、滲出液を吸収しても崩壊しないため、交換時に創に残りにくいドレッシング材です。
DESIGN-RのE→e、G→g、S→sで使用されます。
商品としては、ハイドロサイト、テガダームフォームがあります。
浅い褥瘡(d)では、ハイドロコロイド、ハイドロポリマー、ポリウレタンフィルム、ポリウレタンフォーム、キチン、ハイドロジェルが使用されます。
以上、褥瘡に使用されるドレッシング材についてまとめました。