慢性期の深い褥瘡の治療 感染と炎症の制御

今回は、慢性期の深い褥瘡(D)の治療のうち、I→i(感染・炎症の制御)に使用される外用薬についてまとめていきます。
ここで使用される外用薬には、カデックス(一般名:カデキソマー・ヨウ素)、ゲーベンクリーム(一般名:スルファジアジン銀)、フランセチン・T・パウダー(一般名:フラジオマイシン硫酸塩・結晶トリプシン)、ユーパスタ軟膏(一般名:ポピドンヨードシュガー)、イソジンゲル(一般名:ポピドンヨード)、ヨードホルムガーゼ(一般名:ヨードホルム)などがあります。
カデックス、ゲーベンクリーム、フランセチン・T・パウダーは『慢性期の深い褥瘡の治療 壊死組織の除去②』でまとめたので、今回はユーパスタ軟膏、イソジンゲル、ヨードホルムガーゼについてまとめていきます。

 

ユーパスタ軟膏

白糖とヨウ素を含む外用薬で、ヨウ素は殺菌作用を示します。
白糖には吸水作用があり、創面の浮腫を抑制する作用があります。そのため滲出液が少ない場合は、創が乾燥して治癒に時間がかかることがあります。更に、白糖には肉芽形成促進作用もあります。

 

イソジンゲル

ユーパスタ軟膏と同じように、ヨウ素による殺菌作用を示す外用薬です。殺菌効果はユーパスタよりも強いです。

 

ヨードホルムガーゼ

ヨードホルム自体には薬効がなく、血液や滲出液によって分解、遊離したヨウ素が殺菌作用を示します。

尚、ユーパスタ軟膏、イソジンゲル、ヨードホルムガーゼは、禁忌の1つにヨウ素過敏症があります。

 

今回は、慢性期の深い褥瘡の治療の中のI→i(感染・炎症の制御)に使用される外用薬についてまとめました。